読み終えた後、とてもすがすがしい爽やかな気持ちになりました。
主人公ラゴスが何歳になっても純粋で、ギトギトの私利私欲にまみれた政治家達とは真逆の存在であり続けたためです。
これほどまでに金や名誉、権力に興味がない男がいたとは。
だからこそ行く先々で本質を見抜ける女性たちに好かれていったんだろうと思います。
ラゴスの旅は、愛が根底にあり、知識を得て知恵を使うための旅であったと感じました。
旅の途中、さまざまな人との出会い、危険な出来事などありましたが、何年経過しようとも何年そこに立ちとどまる事になろうとも、前を向き、歩き続ける事を忘れない姿に心をうたれます。
超能力や超常現象など、実際の世の中ではありえない事がこのラゴスの世界では日常の事のように起きていますが、どれもこれもロールプレイングゲームのイベントのようでハラハラドキドキして楽しめました。
奴隷の場面では知識を活かすことで生きながらえ、一方、知恵の使い方次第ではバッドエンディングにもなる事を学びました。
手足と股間以外すべて壁に埋まったあの男の事です。
ラゴスが王国から去る時、残った人々の間で争いごとが起きぬよう細かい指示や教育を残していきました。
そして最後の旅に出る前、人々の為にこれまで得た知識や経験を皆に伝え残し、また、兄やタッシオのその後の人生が良くなるよう行動しました。
めちゃくちゃ律儀で優しくないですか。
そしてこれが日本の戦国時代なら、徳川以上に長い幕府を築くことができそうだなと。
そんなラゴスが生涯想うデーデとはどれほどの人なのか。
正直、ここまでラゴスがデーデを想う気持ちがイマイチわかりません。
初恋だから?
もしかしたらラゴス自身もハッキリとは分かっておらず、それを確かめる為にも再会したいのかなとか思ったりもしました。
この作品全体を通して感じたのは、向上心を持って知識を得続ける事の大事さです。
特に過去の書物を読んで吸収していくラゴスの姿に、読書はとても大事だぞと言われてるいるようでした。
それは、文章力を鍛える為にも最近になって本を読み始めた私の背中をとても押してくれた気がして、これからも読書をしていこうという気持ちになれました。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。