「極限状況化で起きる連続密室殺人ってこういう事か!」と読んでビックリ。
ゾンビに建物を囲まれたところまで読み、ここからどうゾンビと対峙していくのかと思っていたら、まさかこの状況化で普通の密室殺人ストーリーが進行していくとは。
ちなみにゾンビは、完全にバイオハザードのゾンビをイメージしてました。
小説内のゾンビはそれよりももっと足元が弱そうではありましたね。
正直、これだけでお腹いっぱいになりかけました。
今回は誰が被害者になるのか、そして動機の部分はなんとなくすぐ分かり、ビンゴだったわけですが、犯人が最後まで分からなかった。
まず疑ったのは、出目。
早々に出てこなくなり、いつか出てくるのではと読みながらずっと待ちかまえてました。
そしたら途中でゾンビ化した出目が登場し、「やっと出たな!」と思うも本当にただのゾンビになっていたので却下。
続いて疑ったのは、進藤。
顔をぐちゃぐちゃにされたことで誰だか確定できなくなり、死んだと思われた進藤が実は生きていたパターン。
しかしその後、進藤本人で間違いないみたい文があったので却下。
その次は、重元。
廃ホテルで拾った手帳にゾンビの謎みたいなものが書いてあり、自分だけ操れた的な。笑
しかし、もしそのパターンでいくならページ数が圧倒的に足りなそうな気がしたので却下。
最後は葉村。
これは意図的にミスリードさせるように書いているのだと思いました。
しかし、犯人ではなかったとはいえ、犯人がわかっていながら黙認していたのにはガッカリ。
そうなった事情も読みましたが、イマイチ納得がいきません。
序盤で無くした時計の伏線を回収したところは面白かったので良かったですが。
この作品はゾンビが出てきたり、被害者の死にざまもひどいものがあるのに、なんか全体を通してノリがさっぱりしてるというか、アクがないというか、そんな印象を持ちました。
剣崎比留子の魅力がそうさせているのでしょうか。
彼女のキャラ、とてもいいですよね。
外見が美しいということはさることながら、弱いとこもキチンとありとても人間的で、それでいて推理力は確か。
本作が面白かったので第二段の作品も読んでみたいと思っていましたが、剣崎比留子と葉村がまた登場するとわかり、楽しみが倍増しました。
読む前は普通の館とかで起こる密室殺人話かと思っていたので、ゾンビが出てきたときは少し面食らいましたが、そのあたりから一気に読み切るほど楽しめました。
面白かったです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。